名古屋駅からJR中央本線に乗り換え、電車で30分ほどのところに多治見という街があります。

日頃からお世話になっているアートコレクターのご夫妻に同行させていただいて、陶器のギャラリーを見て回りました。

真夏の気温が40度を超え「日本一暑い街」として知られていますが、多治見は美濃焼の産地として有名なところです。
由緒ある窯元をはじめ、人間国宝による陶磁器が展示されている美術館、コンテンポラリー作品を楽しめるギャラリーなどが街じゅうに点在していて、新旧さまざまな陶器を見てまわることができました。

その中でも印象にのこったギャラリーを書き留めておこうと思います。

 

ギャラリーヴォイス

JR多治見駅にほど近い多治見市文化工房「ギャラリーヴォイス」では、ちょうど若手陶芸作家たちの作品が展示されていました。

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「アート北京」アートディレクターの金島隆弘さんが監修された展覧会「燒けてかたまれ 火の願ひ 2015年の今に表現する明日の陶芸家たち」では、戦後70年を迎えた日本で「今」と向き合いながら作品作りに励む80〜90年代生まれの陶芸作家による堂々としたオブジェをじっくりと眺めました。

 

Aya Mori

Aya Mori

Tomomi Tanaka

Tomomi Tanaka

Makiko Hattori

Makiko Hattori

Daisuke Yamagishi

Daisuke Yamagishi

作家はいずれも愛知教育大学の中島研究室卒業生か在学中の院生です。

戦後から現代に至るまで、日本の美術作品は、広く評価されるために欧米を意識した表現が好まれてきました。西洋の定義を前にして、若い世代がどのように自分の表現をポジショニングするのか。そしてそれがどのように評価されるかをテーマにしたこの展覧会で、若く新しいエネルギーと、土と向き合う作家の真摯な姿勢が感じられました。


多治見市文化工房 ギャラリーヴォイス

〒507-0033 岐阜県多治見市本町5-9-1 たじみ創造館3F
TEL:0572-23-9901
FAX:0572-23-9902
http://g-voice.chu.jp/

 

ギャルリももぐさ(百草画廊)

陶芸家の安藤雅信さんとテキスタイル作家の奥様が名古屋の鳴海から民家を移築して運営されているコンテンポラリーギャラリー兼カフェです。

「着る・食べる・住む」という生活の基本から見つめた美術・工芸の在り方を企画展と常設で紹介されていて、二階建てのレトロな建物にまるで家の中の日用品のように様々な作品が展示されていました。

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多治見

金属のような質感の陶器はオーナーの安藤さんの作品です。
鈍い光沢に魅了され、買い揃えてしまいたくなりましたが、このあと持ち歩くことができなかったため今回はやむなく断念。また出逢えますように。

 

ギャルリももぐさ
〒507-0013 岐阜県多治見市東栄町2-8-16
TEL:0572-21-3368
FAX:0572-21-3369
http://www.momogusa.jp/

 

スペース大原

100 年以上前に建てられた民家をリノベーションしたギャラリーです。
会期中は引き戸が開け放され、目の前に広がる庭と一体になった空間で展示を楽しむことができます。

お茶室が併設されているギャラリー

お茶室が併設されているギャラリー

 

Shigeki Hayashi

Shigeki Hayashi

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スペース大原の伊藤達信さんは、スイスで建築を学ばれたあと帰国してギャラリストになられたそうです。ギャラリースペースだけでなく扱っていらっしゃる作品にも伊藤さんのセンスの良さが感じられます。

ギャラリーでお茶を点ててくださっただけでなく、たくさんの多治見のギャラリーを案内してくださいました。

 

スペース大原(space OHARA)
〒507-0073  岐阜県多治見市小泉町3-3
TEL:0572-27-2062
FAX:0572-27-2095
http://www.spaceohara.com/

 

 

多治見の小学校にはどこも窯が設置されていて、街の人は幼い頃から陶芸にふれているのだとか。
ギャラリーだけでなく、ちょっとした居酒屋さんで目にする器や盃にもこだわりが感じられ、どこかに立ち寄る度に多治見の洗練された趣を感じることができました。

また季節を変えてゆっくりと訪れてみたいです。