先日「BLUE FOR TOHOKU」のメンバーたちと、
福島県白河市にある児童養護施設「白河学園」を訪問し、
1年ぶりに子どもたちとふれあいました。

2011年に起きた震災のあと、
復興支援のために仲間と立ち上げたNPO「BLUE FOR TOHOKU」は、
今では福島の児童養護施設のサポートを中心に活動を続けています。

当時手探りで児童養護施設の支援をはじめたばかりの私たちは、
必要な物資が足りていない施設に布団などの生活用品を提供していました。

しかし施設の職員の方や児童たちと直接触れ合う中で、
児童養護施設に本当に必要なものは「物資」ではなく「人の支援」であることを実感し、
活動の方向を大きく転換しました。

いくよ!福島2015
いくよ!福島2015」もそんな活動のひとつです。

多くの児童は18歳を過ぎると少しのお金をもって、ひとり施設から巣立っていきます。
しかし職員の方のお話によると、
大人を通して社会と接する機会がほとんど無いまま社会人になる彼らは
社会にとけこむのが想像以上に難しいそうです。

もちろん自信をもって社会人になることができた人たちもいますが、
就職してもすぐに離職してしまったり、
なかなか定職に就きにくかったりするケースが多いということでした。

BLUE FOR TOHOKUのメンバーはそういった状況を知って、
施設を退所するまでに「職業」についてもう少し考えることができれば、
これからひとりで社会に出て行く児童たちの不安を少しは払拭できるかもしれないと考えました。

たとえば、身近な職員さんや栄養士さん、学校の先生「以外の」
様々な仕事について知る機会があったり、
失敗を重ねたけれど今は充実した仕事に就くことができた人の経験談を聞いたりすれば、
将来の自分に対して可能性を見いだそうとする子たちも増えるはずです。

あるいは、定期的に私たち大人と一緒に過ごしている間に
「この人はどんな仕事をしているんだろう?」と興味を抱き、
社会について話し合うきっかけができるかもしれません。

そういった機会を少しでも提供できれば、という思いのもと、
今年も「いくよ!福島2015」を開催しました。

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この日は朝7:00に東京を出発して、お昼前に白河学園に到着。
晴天の中、幼児から高校生までの児童たちと校庭でBBQを楽しみました。

ひとしきりサッカーで盛り上がったあと、
午後からは講堂で高校生を対象にした「職業紹介」を開催しました。

今回登壇してくれたのは、介護福祉士、公務員、料理研究家の3名。
それぞれにその仕事を選んだきっかけや、仕事をしていて楽しいこと、大変なこと、
必要な資格のことなどを話してもらいました。

児童たちが頭の中で将来の自分を描くことができたかどうかはわかりませんが、
プレゼンテーションを聴きながら「自分にはこの仕事は向かないな」とか、
「これならなれそうだな」とか、
自分の性格や特技を客観的にみることができたのではないかと思います。

 

この次に子どもたちに会えるのは、8月17日に開催する「おいでよ!東京2015」。

白河学園だけでなく、福島市にある児童養護施設の小学生以下の児童を東京に迎え、
キッザニアで職業体験をしながら夏休みの1日を一緒に過ごします。

まだまだ手探りしながらの支援ですが、
自信をもって社会にデビューする児童たちが少しずつ増えていくことを願いながら、
4年目の活動を続けていきたいと思っています。