20年ぶりにアパートを借りて、ゆっくり過ごしたニューヨーク。

打ち合わせや会食などで、
地元の人でにぎわうローカルレストランを利用しましたが、
ニューヨーク料理が想像以上に進化していたことは
出張中のうれしいサプライズでした。

 

進化したニューヨーク料理

ニューヨークで口にするものといえば肉と炭水化物の割合が高く、
たいていのお皿が刺激的な味付けがされていて、
全体のボリューム感をさらに増幅させている。
胃に負担がかかるし、とにかく太る…

ずーっとそう思い込んでいました。

二十代の頃はそんなニューヨーク料理をお腹いっぱいになるまで詰め込んでいましたが、
中年になった今の身体には、目をむくようなハイカロリーを
消化しきる能力が備わっていません。

今回の滞在中も、めったに口にすることは無いだろうな…

と思っていたのですが、
私の旧い常識はみごとに覆されました。

 

和食ブームの恩恵?

20年前から未だに人気がたえない老舗レストランも、
スターシェフがプロデュースする新進系のアメリカ料理店も、
メニューのほとんどが野菜中心で、驚くほど薄味だったのです。

少なくとも私が知っている東京にある多くの洋食系レストランの味よりよっぽど淡白で、
料理に塩っぱさや油っこさをまったく感じませんでした。

かといって物足りないわけではありません。
甘みをしっかりと含んだ野菜本来の味を活かすために、
余計な味を差っ引いた結果、シンプルな味付けにたどり着いたといった印象です。

あれれ、私が知っているニューヨーク料理ではない??

地元でシェフとして働いている友人に話したところ、
一時期の健康ブームで和食が一世風靡した影響じゃないか。
との答えがかえってきました。

ここ数年でニューヨーカーは薄味、ローカロリー、オーガニックな料理に慣れ、
和食ブームがゆるやかになった今も、そういった食品を好んで選ぶようになったとか。

もともとピッキーな上に食材にまでこだわりだしたニューヨーカーのニーズに応えるべく、
近郊の農家とレストランのシェフがタッグを組み、
食材の供給元と料理の作り手が互いにクオリティを高め合いながら
安全で美味しい農作物を安定的に提供できるようになったようです。

 

BRAVO

そんな背景が生んだニューヨーク料理は、
美味しいだけでなく、人や環境に対するやさしさを感じます。

関西の家庭料理を食べて育った私は、
薄味のまましっかり素材の旨味を引き出すのが料理上手!
と信じきっています。
だって、それってやっぱり一番美味しい食べ方で、
身体にもやさしいのだけれど、作るのが難しいんだもん…

今回訪問したレストランのシェフは、本当に料理上手で感心しました。
ニューヨーク料理、ブラボー!